象牙の塔4階2号室・改

アスペとADHDの高専生によるブログ(不定期更新)

January 1st 新年なのでいい加減に勉強法の議論を終わらせる

あけましておめでとうございます

2025年に持ち込ませたくなかった議論を終わらせたい

勉強法について書く

一応、私は数学科に途中参加するのにも関わらず未だに数学の勉強法が分からずに手探り状態にある

願うなら数学のように学習法も一貫したモデル化をしたいのだが、ブルバキ流の定義→命題→証明→…の方法で理解を進めるのは理にかなっているのか怪しいという結論に至っており、そのため自分で新たな方法を構築しかねない。そこで、新年そうそうそのような結論に至った経緯について、過去の変遷とともにまとめる

高専1~3年 : 何もしてなかった

高専2年自分が数学に転向するきっかけとなった年である。しかしながら数学書について抵抗があったため実の所大学数学の勉強といえることは何もしてなかった

一方で、高専の数学についてはテキストをただこなすだけであったので理解も進んだ。このことから理解を脳死で行う方法はおそらく存在するということになった

そこで、独学すればいいという考えのもと、大学数学をただこなすだけで理解するという試みを行うことにした。結果が次に記載する通りである

高専4年 杉浦光夫「解析入門I」 第1章§1~§4 : 写経と演習

解析入門I自体が分厚い本だったのもあってより理解したくなったので写経をし、更には演習問題も順に解こうとした

ところが、写経をしても理解が深まったことはなかった。また、演習問題自体が後に習うことを仮定しないと解けないなど指針が分からなかった。よってこの方法は不足があると思われた

原因としてあげられるのが写経である。本をなぞるだけになったのが失敗の要因だった

高専4年 松坂和夫「集合・位相入門」第1章~第3章 : 演習問題解きっぱなし

集合論については読んでるだけで理解できるだろうとの仮説のもとで演習問題を解くだけに留めてみた。これも証明が理解できなかった。つまりこの方法だけでは不十分ということである

松坂和夫「線型代数入門」 など数冊 :主張書きっぱなし

この頃、河東康之の「セミナーの進め方」なる記事を読んだ。(河東康之は東大の数学者である。主に作用素環論を研究されており、この記事も東大のHPにあがっている)

この河東流のセミナーというのが、なんでも教科書やノートを読むのを禁止して証明をしろというルールらしく、このことを自分の勉強に取り入れるとより良い理解ができると考えた

そこで、数冊の本では定理や命題などの主張のみを書き連ねたものを作り、そこから証明を展開できることを目標にした勉強を行ってみた。このことにより定理の外観を掴めるようになったのは勿論、モノレールの中や授業中(オススメはしない)など、時間や場所に縛られない勉強が可能となった

実は編入試験の前にも同様のことを行っていたため、この方法は速習には向いていると考えられる。しかしながら、具体的に証明を書く技術があまり伸びなかったのと、本の中の有機的に繋がった命題同士の意味の繋がりが分断されたことで言いたいことの理解が進まなかった。先にも記した、ブルバキの進め方が勉強の進め方と一致してないこともこれより解った。更には演習問題も無視したため応用する技術も伸びなかった

雪江明彦「代数学入門1 群論入門」 : まとめ直す

この後、小平邦彦の「数学の学び方」なるエッセイがネットに上がっていたので読んでみた。(小平邦彦代数幾何学解析学の人のはず。「数学のノーベル賞」と呼ばれるフィールズ賞を受賞している強つよ)

補足した通り小平邦彦は数学者として強いのだが、小平邦彦でも数学の勉強には苦戦したらしい。どうやら小平は数学書を写経するだけに留まらず、一章分終わった後に構成が気に食わないからとまとめ直したらしい。もっとも、エッセイの題名が「数学に王道なし」であるのがこの計画の企画倒れを示唆してそうであまりよくないのだが…

写経は杉浦解析で意味があまりないと結論づけた。そこで、数学書のまとめ直しを画策し、その準備として対象の数学書を1章分読んでみた。しかし、今日の数学書それ自体が完成されているというのが結論であった

ここで考えたのが数学書に縛られない勉強である。小平の言う数学書の構成を見直すということについて同じトピックを扱うのに1冊だけでは不十分なところがこれまでにあった。数学書ごとの違いもある。雪江代数に比べると松坂集合は演習問題が難しく、松坂和夫に比べた雪江代数は証明を端折りがちである。また、本によってトピックの扱う位置が異なることがあり、勉強しづらく思える

結論

このことから以下の構成をした本を考える

  • 主張
  • 詳細
  • ノート

主張には命題のみを書く。詳細には主張ごとに説明や証明をルーズリーフごとに分けて書く。異なる証明の場合は同じルーズリーフにまとめる。ノートを付記する。おそらくこの構成が今のところいいと思われるので最後に提案する